環境科学会 会長あいさつ

第18代環境科学会会長を拝命しました荒巻俊也と申します。会長就任にあたり、ご挨拶を申し上げます。

持続可能な(サステイナブルな)社会に向けて、環境科学分野においても気候変動への対応や生物多様性の保全、資源循環の取り組みなどの一層の進展が求められていることは皆さんご承知の通りです。特に近年これらの動きは加速しており、カーボンニュートラル、サーキュラエコノミー、ネイチャーポジティブといった言葉も一般的なものとして使われるようになりました。そこでは、産業界における技術的な対応だけでなく、消費者側での対策も含め、われわれの経済活動や生活スタイルの見直しによる社会全体での戦略的な取り組みが求められています。文理を問わず幅広い分野の研究者で構成される本会は、このような戦略的な取り組みについて研究を進め、学術的な貢献を行ううえで有用なプラットフォームを提供しているものと考えております。

またこれらの課題は世界全体での共通の課題であり、戦略的な取り組みを研究していくうえでは国際的な視点も欠かせません。私自身、国際協力機構の長期専門家として開発途上国への協力に携わる機会があり、その後も継続的に開発途上国からの留学生の教育も含めたさまざまな活動に関わってきましたが、開発途上国との間の関係は、支援・協力する側、される側という以前のものから、持続可能な社会にむけた取り組みを共に推進していくパートナーという関係に変わってきております。コロナ禍があけて日本で学ぶ留学生も再び増加しておりますが、留学生や海外の研究者らとの学術的な連携をさらに強化していく必要があります。

環境科学という側面から、持続可能な社会にむけた戦略的な取り組みを検討する学術的なプラットフォームとしての本会の機能のさらなる発展を、皆様の協力を頂きながら進めていきたいと思います。どうぞ、よろしくお願い申し上げます

第18代 環境科学会会長 荒巻 俊也

(東洋大学国際学部 教授)


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